男の情景
私には今まで思い通りにならないことなど何も無かった。少なくともあの女が現れるまでは…
あの女が現れてからすべてがうまくいかなくなった。金も、女も、仕事も、何もかも…
だから私はあの女を殺すことにした。
そのためにわざわざ無人島を購入し、別荘まで建てたのだ。あたりは漆黒の闇…たとえ悲鳴が上がったとしても、誰もいやしない。
私は自室で連装猟銃を手にしていた。弾丸が込められているのを確認してから、あの女の部屋へ向かった。
そしてわざと乱暴にドアを開け放つ。あの女はベッドに寝ていたが、眠そうな表情で起き上がった。
それに向けて猟銃を構えると、みるみるうちに脅えの色が走った。
「なんの真似よ!あぶないじゃない!」
と言うので、私はニヤリと笑って言い放った。
「あぶなくなんかないさ、おまえは死ぬんだ」
そして外さないように女に近付いた。その時、あの女の瞳が笑っているのに気が付いた私は逆上して
「死ね」
猟銃の引き金を引いた。
瞬間、目の前に閃光が走った…気がした…
直後、銃が発射されたのとは違う爆発音が辺りに響き、男の身体から頭部が吹き飛んでいた。
頭部を失った男の身体がゆっくりと倒れる…
その様子を女はしばらく呆然と眺めていたが、
「ハハッ!フハハハハハハッ!」
突然笑い出した。「フフフ…これでみんなあたしのモノ」
死体も密林の地中深くに埋めれば見付かることはないだろう。そしてこの別荘を焼き払い、島を売ればさらに多額の金を手に入れることができる。
女は笑いが止まらなかった、漆黒の闇に笑い声がいつまでも響いていた。
<コメント>
当サイト初のシスプリ以外のお話。しかもサスペンスモノだったので、皆ビックリ。
纐纈さんの新しい一面を垣間見た作品でした。