ある兄の心理


テレビの画面を見ている。

別にテレビ番組を見ているわけではない。ゲームをしている。アクションでなければRPGでもない。

所謂『ギャルゲー』を言うヤツである。『シスタープリンセス』。

12人の妹の兄となって、コミュニケーションして楽しむ、と言う現実では100%有り得ない内容。

でも、その中に出てくる妹は、可愛い。可愛くて仕方が無い。どうしようもないくらい可愛い。

そんな自分には実の妹がいる。仲は良い。

「にい、これ見て。結構面白いサイトとかあるんだよ」

今自分はシスプリのサイトなんかに色んな書き込みをしていたりするわけだけれど、そのきっかけを作ってくれたのは妹である。仲は良い。



「にい、ちょっと宿題教えて」

「え、どれどれ」

「ここなんだけど…」

いつもの事だった。兄妹だから。でも、

「友達にね、にいの話するとね、みんな『いいお兄ちゃんだね』って羨ましがるんだよ。えへへ…」

「そ、そうか」

照れくさい。でも嬉しい。

「友達のお兄ちゃんって無愛想って言うか、家の中でも会話ってしないんだって」

「じゃあ、俺達とは全然違うわけだな。嫌じゃないか?べたべたしてるとか言われないか?」

「そんな事言われたりしないよ。『いいなぁ』とは言われるけどね。それに…あたし、にい好きだもん」

その言葉があのゲームを思い出させる。まさか、とは思ったけれどすぐに「好き」の意味合いが違うと考えた。

(ゲームだからな、あれは…)

現実の世界なんだし、申し分の無い妹だと思う。



テレビの画面を見ている。

別にテレビ番組を見ているわけではない。ゲームをしている。自分の妹は申し分の無い妹だと思っている。

それでも自分はこのゲームをする。妹が12人も出てくるこのゲームを楽しんでいる。



何故。

もしかすると、実の妹には馳せる事の出来ない想いを、この画面を通して紛らわせているのだろうか。



否。

理由なんて無い。好きなんだよ、このゲームが。現実の妹が居ようが居なかろうが、仲が良かろうが悪かろうが、自分は好きなんだよ、このゲームが。

「お兄様、ラブよ☆」

ぐはっ♪

今日も自分は咲耶に萌えている。だってお兄様だもん…


<コメント>
迷水さんには実妹がいるそうで。羨ましい限りです。
何だかんだ言って、兄弟がいるという事はやはり良い事だと私は思います。


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